国内では安倍元首相の殺害事件後、旧統一教会の問題が顕在化し政権政党とカルト教団の過去に例をみないような不可解な関係が明るみにでて、国内のメディアの中でも政権忖度をやめた一部のテレビ、新聞が連日これをスクープとして報道するようになりはじめています。
これは過去にあったスキャンダルや疑獄事件とは異なる、というより構造的な問題であり、海外のメディアでも大きく取り上げられるようになっていて、日本は政権政党がとうとうカルト教団に乗っ取られたといったショッキングな内容も報じられているようになっています。
そもそも海外の投機筋はこうした問題を強く嫌う傾向があり、問題がさらにエスカレートすることになれば日本株への投資の見合わせ、撤退すらあり得るのでここからのこの問題の動向が大きく注目されています。

岸田政権は10日に内閣改造を実施するが果たして統一教会関与者を完全排除できるかが大きな注目ポイント

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岸田首相は先週6日に記者会見し、次々と明らかになる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党議員との関係の問題を払拭するために、新たに内閣改造で任命する閣僚だけでなく、現閣僚も含めてそれそれ点検、つまり身体検査の実施を行う旨を明らかにしています。
ただネット上にはすでに旧統一教会と関係がある自民党議員は首相経験者も含めて121名実名で開示されており、果たして自己申告によるような統一教会との関係点検が政権から関係者の全面排除を実現できるのかかなり怪しい状況になってきています。
万が一閣僚起用後旧統一教会との関係がメディアで暴かれるようなことが続出すれば首相の任命責任が問われることになり、知らなかったでは済まされない事態に陥ることが危惧されるところです。

また、銃弾に倒れた安倍元首相自身が過去三代に渡って統一教会と深い関係を築いており、選挙での集票を作為的に自身の子飼いの人間の選挙で差配していたという事実も露見しはじめていることから、国葬に対する国民の反対論も高まっており、下手をすれば政権支持率はさらに大幅に下がり岸田首相は改造内閣を維持できなくなるリスクも高まるところとなっています。

トランプ前大統領と旧統一教会との関係も露見

一方米国ではトランプ前大統領と旧統一教会の関係も露見しはじめています。
トランプ氏は昨年9月、旧統一教会の友好団体UPF(天宙平和連合)がオンラインで開催したイベントで演説。
旧統一教会の創設者の文鮮明氏、UPFの共同創設者の文氏と妻・韓鶴子氏について「文総裁夫妻は偉大な業績を立てた」と世界の平和実現に貢献したと絶賛しています。
このイベントには奇しくも安倍元首相もビデオメッセージを寄せており、疑惑の関係は海を渡って米国にも広がりを見せています。

中間選挙に向けて支持率が日々低下するバイデン政権は、2024年に次期大統領選への再出馬に強い意欲を示しているトランプに対し、早期にその息の根を止めるためにあらゆる手段を投入しようとしていますが、米メディアもトランプの再出馬宣言後こぞってトランプと旧統一教会とのズブズブな関係を大きく報じており、本邦のみならず米国でも大きな問題になりそうな状況になっています。
バイデン陣営がこの旧統一教会問題を自らの政権維持のために利用することになれば、トランプとともに日本の岸田政権も一緒に切り捨てられかねない危険性も高まります。

こうなるとこの手の政治的なリスクを酷く嫌う投機筋が一斉に日本の金融市場から撤退する可能性も高まり、事態は政治の世界に留まらず金融市場にまで大きな影響を及ぼすリスクが顕在化しそうな状況になってきています。

クリントン政権以降、米国民主党は日本の自民党に対してなにかにつけて辛く当たる存在として有名ですが、トランプの追い落としのために岸田政権を道連れにすることはあり得ない話で、米国が日本のカルト合体政党を壊す引き金を引く可能性についても意識しておく必要がありそうです。
ここまで日経平均は円安が大きく進んだことから米株に比べて割安感が強く醸成され、夏にはいっても例年のシーズナルサイクルのように下落に転じないというなかなか強い動きを示現してきましたが、それがこの政治的問題から一気に崩れることも視野に入れて取引をおこなっていきたいところです。

世界的にみても先進国の政権政党がカルト教団と密接に関わってきたという事例はどこにも見当たらず、相当レアなケースとして扱われることは間違いありません。
損失を食らわないよう我々個人投資家も慎重な取引を行う必要があります。