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2024年の大統領選挙を前にしてとうとうバイデン陣営が動きだし、トランプ前大統領が大統領経験者として初めて起訴される事態になりました。
この起訴に関して検察当局が5年の月日を費やしているとも言われており、とにかくトランプが2024年の大統領選に登場できなくするためにあの手この手で妨害の工作を仕掛けてくることは容易に予想され、今回の起訴騒動は完全にその一環となっていることが窺われます。

トランプは複数の罪に問われているようでその詳細は5日に裁判所に出廷した段階で明らかにされる見通しですが、まず初めに明らかになったのは2016年大統領選挙直前に元ポルノ女優に「口止め料」を支払った件で、これ以外にも脱税やその他の罪で次々と起訴される状況になることが予想され始めています。
共和党のトランプ支持者はこの日が来ることはわかっていたというものの、いざ起訴となるとショックは隠せないようでトランプ支持がどう変化するのかにも注目が集まります。

民主党は90年代クリントンが当時司法修習生だった女性を引き込んでホワイトハウスの執務室でよからぬことをしていたことがバレて弾劾寸前のところまでいき辞任に追い込まれており、決して清廉潔白な党とは言えない過去をもっていますが、とにかくトランプのバッドイメージを作るのに躍起のようで、起訴騒動はまだまだ尾を引きそうです。

金融市場が気にし始めているのはドイツ銀行とトランプの関係

トランプの起訴騒動はほとんど政治的な領域の問題ですが、金融市場が危惧しはじめているのは長年トランプを支えてきたことで有名なドイツ銀行との取引で不都合な事実が露見することから、ドイツ銀行の経営不安が再燃するのではないかということです。
ドイツ銀行は2021年の首都ワシントンでの暴動をきっかけに先を見越したのかトランプとの距離を置き始め、その後トランプ氏および同氏の会社との取引を打ち切りしたことがわかっています。
当然問題はそれ以前の時期に起きたことが対象となりますが、そうはいかない現実が待ち構えています。

さすがにトランプとの取引が起因して銀行が破綻に追いやられるといった激しい展開はありえないであろうとは思いますが、プライベートバンキングの領域などで問題を起こしている可能性もありそうで、トランプ騒動が思わぬドイツ銀行の不正経営の扉を開けてしまうリスクは当然残ります。
ドイツ銀行の場合、叩けば埃しか出てこないとも言われるだけにどういうとばっちりになるのかはかなり心配されます。

それでもトランプは出するのかも大きな関心事

トランプ氏の選挙陣営は3月31日、起訴後時間で400万ドル(約5億3000万円)以上の寄付が集まったと発表しており、逆境を利用してキャンペーンを拡大し出馬する気は満々のようですが、共和党内での扱いがどうなるのかも非常に気になるところとなってきています。
共和党内ではすでに何人かの候補者がではじめていますが、バイデン政権にとってはとにかくダントツにカリスマ性を発揮するのがトランプであるだけにこの人物が選挙に出てこないことが最大の安心材料であり、そのためにはたとえドイツ銀行が巻き込まれても徹底的にやっつけにかかる可能性は高そうです。

ニューズウイークの最新調査によると起訴された後もトランプの支持率は上昇し、共和党の最有力大統領候補としてトップを走り続けているとのことです。
トランプ起訴の見通しが明らかになる前の3月14日~19日にかけて行った調査では、トランプは共和党大統領予備選挙に投票を予定している有権者の43.8%に支持されていましたが、起訴後の3月22日~25日にかけて行われた2回目の世論調査ではトランプへの支持は逆に44・4%に増えました。

共和党を支持する有権者が、今回の起訴内容にはそれほど説得力がなくほとんどがストーミー・ダニエルズに関する容疑だと考えるなら、トランプの支持率は50%に増えるかもしれないと言う見方も広がりつつあるようで、まさに起訴内容がここからの大きな関心事になりそうです。
大統領選挙は2024年の11月のためまだ1年半も先の話しですが、ここからはこうしたテーマが多く登場し金融市場にも影響を与えることが考えられ、相当注意しながらトレードすることが求められるでしょう。