週明け7月24日、仮想通貨市場はビットコインをはじめとして大きく下落しての推移となりました。
米証券取引委員会がリップル裁判における判決に控訴を示唆していると報じられていることや、ドルインデックスが上昇したことから対ドルでその価格が下落するのは頷けるものがありますが、対円でも下落していることを見ると米欧日の中央銀行政策決定会合を前にポジション調整がでているとみるのは免れない状況になっています。
こうしたポジション調整は今年のFOMCの前には結構頻繁に見ることができたものであり、すでに主要中銀政策決定会合の前後にはビットコインが大きく動くということもかなり広範に知れ渡ることとなっています。

BTCUSD一週間の相場推移

もともと特定国の法定通貨とはなんの関係もない仮想通貨がFOMCやECB理事会、日銀会合の事前段階にせよ金融市場の中でもっともその影響を受けるのがビットコインでアルトコインもそれに連動するという状況は発行からかなり時間がたち、成熟化しつつあるこの段階では相当な違和感があり、しかもその調整金額がものすごい金額であることにも違和感を感じさせられます。
すでにそういう位置づけの商品であると考えれば仕方がありませんが、仮想通貨の勃興期に市場参加者が期待していたものと現状が相当離れてしまったということも十分に考えるべき時間帯に入っていることを強く感じさせられる動きです。

過去のアノマリーもワークしない7月仮想通貨相場

ビットコインはブラクストーンによるスポットETFの上場期待からここのところ対ドルベースでも相場を大きく上昇させることになりましたが、7月単月で見ますと実は停滞が続いており、値動きの幅は4週連続で2%未満となっています。
7月相場もあとのこり1週間あまりなので、2023年で2度目となる月足での下落となりそうな状況です。
もともとビットコインは実需が市場を支えているわけではないので季節的なアノマリーなどはっきりわからないのが正直なところですが、例年好調であった7月相場が陰転して終わることになると、今年は特異な推移をし始めていることが窺われるところです。
仮想通貨、とりわけビットコインに関してはほかの金融市場の影響を大きく受けずリスクオフが進めば資金の逃避先として機能することが長く期待されてきたわけですが、どうもそうはならない可能性が高まりつつあります。
各国中銀政策決定後相場がもとのレベルに簡単に戻れば心配はありませんが、それとは異なる動きが強まるようであればここからの売買は相当注意する必要がありそうです。

ビットコイン半減期サイクルが近づき相場もそれに翻弄される動き示現か

ビットコインは次回の半減期が2024年4月頃と見られていることから、また恒例の半減期サイクルが始まるのではないかという見方が強まりつつあります。
ビットコインの半減期はビットコインが流通する速度を減少させ、ビットコインの価格上昇の可能性を高めるとされてきており、早期の半減期はまさにその通りの展開となりました。
ただ価格上昇は半減期の直後ではなく翌年に起きる傾向が強くなります。
半減期は一般的にビットコイン価格上昇をもたらす重要イベントの1つだと広く認識されていますが、これは上述した半減期によって供給量が減少し希少性が高まるということに関連してはいるものの、そのまま価格が上昇過程に乗るわけではなくなりつつあり、四度目の半減期を迎えるここからの相場では売買を一層難しくしそうな状況です。

ビットコインの場合過去3回の半減期を経験していますが、その間に価格が大幅にするとはいえ現実には上げて下げてまた上げるという一定の法則性も確認されていますのでBuy&Holdでただ持っていればいいという訳でなくなっていることがわかります。
上下動の値幅は毎回全く異なるものとなっており、次回の半減期通過後ビットコインの価格がどこまで上昇するのかは実態に半減期を通過するまではわからないというのが正直なところになっています。
2012年11月の一回目の半減期は12ドルだらずだったビットコインは2016年7月には650ドルにまで上昇し実に54倍の価格となりました。
その後2020年5月の3回目の半減期では8500ドルになりこちらは13倍の価格上昇を経験しています。
そして迎える4回目の半減期ですが、足元では3万ドルあたりを行ったり来たりしているので、このまま半減期を迎えることになれば上昇幅はたったの3.5倍ということで上昇倍率は前回のほぼ24%程度という厳しい法則が適用されることになってしまいます。
もちろん一般の法定通貨を保有していたので絶対に起こらない上昇でそれでも投資妙味は高い状況ですが、初期の半減期と比較すればまったく別物になっていることがわかります。