週明け8月第三週は金融機関は正常運転ですが少なくとも16日まではお休みの企業も多く、為替市場も実需による動きはリーブオーダー以外にはスッカリ止まる時期となります。
したがって相場からは誘導性が失われドル円は上昇よりも下落するリスクが高まりますが、今年は11日本の休日突入あたりから俄然上値を試す動きが強まっており、週明けには145円を突き抜けかねない状況になってきています。
11日には本邦勢が休日のときにシンガポール勢が上値を試して145円の突破を試みましたが、分厚いリーブオーダーのせいなのかオプション設定のせいなのか145円を超えることができない状態が続きました。

またNYタイムでは米労働省が発表した7月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことから円売り・ドル買いが優勢になり、アジア時間の高値144.90円を上抜けて一時145.00円ぎりぎりまで値を上げる場面がありました。
しかしここではまた145円の壁に跳ね返され10銭近く下落するという場面も見られました。
この状況が果たして破られ、薄商いの中で145円を一気に突破していけるのかどうかに市場の注目が集まります。

ドル円8月11日一日の動き

本邦財務省も為替介入のための監理体制を強化といった報道も

ドル円は一週間であっという間に3.5円以上上昇しており、また145円を超えかねないため財務省もその動きを注視しはじめているようで、週明け相場の薄い状況下でいきなり145円超の動きになった場合にはいきなり介入を実施して、その相場の薄さを利用して大きく値を下げるといった動きにでる可能性も高まるところです。
本邦財務省は一貫して介入は特定水準で行っているわけではないとしていますが、昨年ほどの異常な過熱感はないにせよこのまま放置すればあっという間に5円方向に上昇するリスクはかなり高そうで、市場参加者が激減する今週あえて最適な資金で介入してくる可能性は高まります。

ドル円先週一週間の動き

神田財務官は昨年の介入で一定の成功を収めたことから円買い介入にも自信をもっているとされており、通常の介入までの市場へのコミュニーションプロセスを割愛していきなり介入に踏み切ってくる可能性も否定できません。
145円ジャストで介入することはないと思われますが、146円に接近した段階でいきなり介入ともなれば昨年の実績を見る限り3円から5円程度の押し戻しは覚悟しておく必要がありそうで、いきなり140円台前半まで下落する可能性も否定できない状況です。
週後半は本邦のお盆休みも終了して相場は平常に戻りそうですが、それまでの数日はかなり気をつける必要がありそうです。

週明け相場も米国指標や要人発言が満載

週明けには米国で米7月小売売上高、米8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米8月NAHB住宅市場指数、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁講演、米7月住宅着工件数、米7月建設許可件数、米7月鉱工業生産、米FOMC議事要旨、米新規失業保険申請件数、米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米7月景気先行指数といったドル円相場を動かす指標材料が満載で、本邦財務省の為替介入がなくても相場は相当上下動しそうな雰囲気になってきています。
ただ欧米市場でも引き続き夏休みのため流動性は基本的に低く、ちょっとした相場の反応でも大きく上昇したり下落するリスクに注意が必要です。
財務省の為替介入があればこうした指標の結果を受けた相場の上下動も一気に吹き飛ぶ可能性がありますが、それまでは注意深くトレードしていくことが今週も求められます。

ユーロドルはもみ合い継続か

ユーロは7月のECB理事会以降その先の利上げについては完全にオープンな状況になっており、材料の乏しい展開が続いています。
そのため動きがあるとすればもっぱらドルに左右されることになりドルが上がればユーロは下落、逆にドルが大きく下げるとその反動でユーロに大きな材料がなくても上昇するといった相場を延々繰り返しており、指標のない時にはもみ合いを継続中です。
恐らくこの動きは9月のECB理事会までは延々と続きそうで我慢のトレードを強いられる可能性が強くなっています。
そもそも8月相場はどの通貨ペアでも動意の薄い時間帯が続くため動かないときにあえてトレードする必要はありませんが、たとえポジションを作らなくても相場がどう動いているのかについてはトレード感を失わないためにもある程度定期的に見ておくことがお勧めです。

今週の相場に関してはやはり投機筋主体で上昇が続くドル円に対して本邦財務省がどう為替介入で仕掛けてくるか次第で、特に16日まではいきなり相場が下落しないようストップロスやトレーリングストップを入れるなりしてリスクヘッジ策を徹底させることが必要になりそうです。
特に財務省の為替介入で大きな損失を被ることだけは避けたいところで、ドル円でロングポジションを持つなら入念なリスク対策が求められる一週間になりそうです。