今年5月31日、仮想通貨交換業者のDMMビットコインは、4,502.9BTC(約482億円相当)が不正流出したことを発表しました。

この流出額は、国内大手交換業者であるコインチェックが、2018年に流出させた約580億円に次ぐ規模となっています。

同社はグループ会社の支援のもと調整を行い、ユーザーの資産を全額保証するとの方針を示しているため、ひとまず安心と言えそうです。

しかし、仮想通貨市場が成熟化する中で発生したハッキング事件だけに、詳細情報の開示が待たれるところです。

大きな被害を被った今回の不正流出事件

DMMビットコインは、2016年に設立された「東京ビットコイン取引所」が前身です。

2017年にDMM FX ホールディングスによって買収された後、2018年に新ブランド「DMM Bitcoin」として運営を開始し、東京ビットコイン取引所のサービスは停止されています。

現在、DMMビットコインは国内で中堅に位置する仮想通貨取引所であり、2022年時点での顧客口座数は37万、預かり資産は約404億円となっており、設立から8年での不正流出事件となりました。

 

業界内上位のビットフライヤーは、2023年12月末の利用者暗号資産が約5,017億円となっているため、同程度の損失であれば1割程度の被害にとどまることになります。

しかしDMMビットコインの場合は、2024年3月の貸借対照表がまだ開示されていないため、前年の数値から推測することになりますが、現預金に預託金や短期指入保証金などの流動資産が150億円ほどあるほか、暗号資産も700~900億円程度保有しているものの、自社保有分は20億円程度となっています。

今回流出した約482億円という額は、暗号資産総額の半分を超えているものとみられ、分別管理を厳密に行っている以上、流出分のビットコイン確保に必要な流動性を単独で確保するのは難しいため、やはりDMMグループ全体の支援で顧客に補償せざるを得ない状況のようです。

日本の金融庁の認可を受けても安全とは限らない

FX業者についても言えることですが、日本の金融庁から認可を受けているからと言って必ずしも安心できる取引所だとは限りません。

今後原因が解明され、その内容によっては、DMMビットコインだけの問題に止まらず規制内容や監督体制が見直される可能性があるため、詳細調査の進展も注視する必要がありそうです。

過去の事例とは異なる不正流出の性質

DMMビットコインによる今回の不正流出事件は、取引所が法制化される以前の黎明期に発生したマウントゴックス事件や、「みなし仮想通貨交換業者」として認可取得中だったコインチェックによる流出事件とは大きく異なります。

法制度が整備され、モニタリング体制も強化された中で発生した事件であり、被害額も莫大であることから、国内における仮想通貨取引所全体で、抜本的な見直しが図られる可能性もあります。

海外FX業者のビットコインCFD取引がおすすめ

国内の仮想通貨取引業者には、日本円で取引することができるというメリットがありますが、海外FX業者にもゼロカットシステムという大きなメリットがあります。

ゼロカットシステムは、強制ロスカットが間に合わず、投入した証拠金以上の損失が発生してしまった場合に、そのマイナス分をFX会社が補填してくれるシステムです。

また、ビットコインの現物を預けて取引するのではなく、差金決済で取引を行うため個人投資家にとっておすすめの取引方法と言うことができます。