4日に発表となりました5月分の米国雇用統計はNFP・非農業部門雇用者数が市場予測平均の67万人に届かず55.9万人となったことからアルゴリズムや短期投機筋が一斉に売りを出したようです。

数字的には誤差範囲の域を出なかったにも関わらず全日のADPの結果で異常に買い上げられたドル円は結局この発表に4月製造業受注は前月比-0.6%と、1年ぶりマイナスとなったことが追い打ちをかける形となり高値から90銭近く下落するという結構大きな値幅を伴う下落に見舞われました。

材料的にはそこまで過剰に反応するものなのかという疑問もありましたが、投機筋は容赦なく売り仕掛けをしてきますので思わぬ損失、損切に見舞われた個人投資家も多かったのではないでしょうか。

ドル円1時間足推移

冷静に見ますと結局前日から4日の東京タイムに買いあがり過ぎたドル円のロングが荷もたれと起こした中で下落が進むにつれて損切がかなりついて思わぬレベルまで下落してしまったというのが正直なところで、週明けこの動きを相場がさらに引きずることになるのかどうかが注目されるところです。

5月に発表された4月分の雇用統計まで大きく下げましたが結局2日ともたずに再上昇しているだけに投機筋だけで動く相場はトレンドにはなりにくく、ここから再度上昇過程に入っていくのかどうかに注目が集ります。

6月16日にはまたFOMCがありますので、ここに向けて経済指標がよければテーパリング観測が高まり債券金利は上昇、株価は下落でドル円は債券金利とリンクして上昇する動きとなることが考えられるだけに当分噂で買って事実で売るという繰り返しが示現する可能性がありそうです。

ここまで上昇したユーロドルは一旦下落の時間帯か

ユーロドル1時間足推移

一方4月からかなり上昇をつづけてきたユーロドルのほうは4日の米国雇用統計で一旦ユーロが買い戻されたことからそれなりに値を戻す動きにはなりましたが、さすがにここからの相場は息切れ状態になりそうです。

ECBは簡単にテーパリングを行わないことが見え始めており6月10日に米国FOMCよりも先に実施となるECB理事会で引き続き緩和継続という結論が出た場合にはドルとのコントラストからユーロが売込まれる可能性についても想定しておく必要がありそうです。

景気回復がはかられ経済指標がよければ緩和縮小懸念が出て株価が下がるなどというのも奇妙な動きですが、ほとんどの主要国はすでに国の資金の投入でなんとか経済を吹きかえすという微妙な状況であるだけにこの動きはまだまだ継続しそうな状況です。

シーズナルサイクル的にはユーロドルは6月は細かな上下動を繰り返して方向感に乏しい時間帯を過ごしそうで、大きく下落するというタイミングではなさそうですが、ここまでの上昇に対する調整局面と考えるとそれなりの下落もありそうで十分な注意が必要です。

全般的に為替相場は中央銀行が比較的伝統的な手法で景気の上昇にあわせてテーパリングや緩和措置の縮小に動く国の通貨は上昇しやすい状況で、すでにテーパリングを発表しているカナダドルや先行き同様の動きになりそうなNZドルなどは対ドル、対円でも強含みそうな状況で、利益をしっかり得るならばこうした通貨ペアの選択が重要な時間帯になりそうです。

したがって今後取引したいと考える通貨ペアはあらかじめその動きをチャートで把握して十分に慣れておくことも必要になりそうで、用意周到な準備が大きな成果に結びつきそうです。

国内の個人投資家はドル円に固執しがちですが、もっとフレキシブルに通貨選択を行うことが重要な時間帯です。

6月はファンド勢も大きな稼ぎ時と位置づけていますので思わぬボラティリティがでることも十分に考えられます。

決して無理をすることなく、行ける時に大きく打ってでられるように構えておくことが大切になりそうです。