クリスマスを控えた先週、市場参加者は内外ともに激減しほとんど相場は動かない時間帯に突入しました。

本邦はいよいよこれからが年末で1月4日まではさらに市場参加者が減ることが予想されますが、米国は27日からが実質的に新年度2022年ということで、すでにスタートダッシュが始まろうとしている点にかなり注意しなくてはなりません。

欧州勢も29日あたりからクリスマスの振替休日を終えて本格的に市場に参入してくることが予想されます。

週明けの為替売買の受け渡しはすでに年明けとなるので本邦よりも一足早く市場には新年度が訪れようとしていることがわかります。

まず週明けからの7営業日の米株の動きに注目

米株市場では例年年末クリスマス明けの月曜日から年始を含めて7営業日で相場が上昇するか下落するかを、その年の相場の先行きを占うかのように非常に重視する投資家が増えています。

もちろんこうしたアノマリーが絶対ではありませんが、過去20年以上相場を観測していると年間を通じて上昇しやすいのがこの7営業日に1.3%から1.6%程度上昇する年で、ここで失速した場合には年後半にかなり大きな下げを伴うことが多い点には注意しなければなりません。

足もとでは米債のイールドカーブがフラット化しはじめており、こうした状況が継続した後には暴落とは言わなくてもそれなりの下落を余儀なくされることが多いだけに、まずはこの年末年始の動きに注目していきたいところです。

そうでなくても米株、日本株は1月天井から下落しやすくなるのが例年の傾向であるだけに年明けの動きの急激な変化にも注意が必要となります。

為替は年末と年明けのセンチメントの変化に注意

為替は例年年末までの動きと年明けの動きががらっと変化します。

とくに本邦個人投資家が多く扱っているドル円については年初に大きく流れが変化することが毎年確認されています。

これは実需の動きなども関係しているようですが、上昇が続いたドル円はいきなり年初から下落に転じることが非常に多くなります。

もちろんこちらも絶対ではありませんが、シーズナルサイクルがいきなり変化することには相当な注意が必要になります。

Data EquityClock.com
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これは年末まで比較的上昇するユーロドルにも言えることで、年明け以降はいきなり流れが変わることが非常に多くなるのでやはり注意が必要になります。

このような流れが変わるのにはいくつかの理由が存在しているようです。

そのうちの一つの理由として、これは季節的に強まることが多いですが、実需筋のそれまでと異なる動きに注意しなくてはなりません。

また欧米の機関投資家がこの時期に一斉に動きはじめることも相場に影響を与えることになるようです。

年初は本邦の個人投資家も心機一転と力を入れて相場に向き合いがちですが、実際相場に入ってみると年末とは全く異なる動きに翻弄されやすくなり、結局意気込みとは裏腹に大きな損失を出しやすくなる危険性があります。

こうした年末年始の相場はとにかく動きがどうなるのかをしっかり見据え、それについていくという柔軟な姿勢が求められそうです。

独自の方向感や相場の断定はだいたい失敗に終わることが多くなるので、とにかくあまり前のめりにならない形で相場をしっかり見極めることが重要になりそうな一週間です。

また外人投資家は日本が新年3日までは完全なお休みであることをよく知っており、それをテコにして余分な仕掛け売買をしてくることも十分にあるので、細心の注意を払う必要があります。

年末ギリギリで投資原資を無駄に減らさないよう十分にお気を付けください。