4月第二週の為替相場は週初こそ落ち着いた動きから始まりましたが、後半に向けてドル円が再上昇する展開となり、クロス円は豪ドル円、NZドル円で大きな調整が入る動きとなりました。

先週はFOMC議事録が開示され、市場の想像以上にFRBの緩和の巻き戻しが進むことが見えてきたため3月末の日銀の対応では円安が進行しましたが、FRBの動きではドル高が進行することになりクロス円はドル円と同一の方向に動かなくなりつつあることが見え始めています。

ドル円は再度上値試しが期待される状況

先週後半はドル円は常に上値を試したそうなチャートの展開となりましたが、木曜、金曜と東京タイムの仲値で本邦の輸出勢と見られる向きから強烈な売り玉がでて、123円台に何度も押し込まれるという動きが連日示現することとなりました。

新年度に入ってのヘッジ売りが加速しているものと思われますが、確かに日銀短観で示されている企業の社内為替レートが111円台であり、124円でドルを確保しておくことができれば相当な利益になるのは間違いなく、週明けもこうした動きが顕在化してくるのかに注目が集まるところです。

一方投機筋の視点でいえば黒田シーリングと呼ばれる125.860円は単なる通過点でしかなく、これを突き抜ければ130円方向に急伸する可能性はさらに高まりそうです。

輸入を含めた実需の相場では引き続きドル不足は継続中で、輸入決済を行う企業の東京タイム仲値でのドル買い需要はかなり活発な状況を維持しています。

シーズナルサイクルから言うと4月は後半に向けてドル円は例年下落しやすくなるものですが、今年はそうしたサイクルを維持するのかが取引の大きなポイントになりそうです。

ただ投機筋主体で大きく持ち上げた相場は3月末にも見られたとおり、結局反対売買がでて大きく下落するリスクも抱えることになり、どこまで高値についていくのかを見極めるのはかなり重要となるので週明けもやはり押し目買いが推奨されます。

一週間の相場のレベルとしては123円から126円超、場合によってはいきなり130円に到達することも意識して取引していきましょう。

ドル円30分足

ユーロドルは一旦反発の可能性も視野にいれた取引を

ユーロドルは4月に入って以来ウクライナ情勢も膠着していることから、あまり激しい動きがみられないまま低迷しています。

またフランスの大統領選挙では現職のマクロン大統領の支持率があまり高くなく、ルペン候補が勝利を収める可能性があり、週明けはさらに下押しするリスクも高まることになります。

ただロシア軍は戦費の問題を抱えているようで、停戦といった報道が飛び出せば買戻しの動きになることも注意が必要です。

例年4月のユーロドルは月末に向けてユーロ高になりやすいことから、やはり実需が関係している動きがでることもありますのでここから深い売りを追ってトレードするのはくれぐれも注意が必要になりそうです。

相場のレンジとしては1.0700-1.1000辺りが想定されるところです。


ユーロドル1時間足

もっとも期待されるのは豪ドル円の上伸

こうした相場状況の中で週明けもっとも期待されるのが豪ドル円の上昇です。

月初94円超までやって一旦調整に入っていますが、4月は例年後半に向けて上昇しやすいのが豪ドル円で、しかもロシアから資源が入ってこなくなっている中で代替資源国としてのオーストラリアは非常に注目される国となっています。

またRBA豪州中央銀行はとうとう利上げを視野に入れた政策決定を始めており、この点でも円に対して豪ドルは上昇しやすく、ここからの相場では押し目を拾うことが注目されそうな状況です。

ドル円の上昇次第もありますが、豪ドル円はどこかで100円をつける可能性がかなり高まっていますので、押し目では買っておいて損のなさそうな通貨ペアです。

ただし5月以降は下落に転じることが多くなりますので、あくまで今月の中のトレードとして割り切ることが重要になるでしょう。

豪ドル円1時間足

全体として異常とも思えるほど円安が加速した動きはさすがに一服していますが、日米の中央銀行の政策は明らかに異なっており、今年は日が進むに伴って日米の金利差は拡大する方向にあり、円が買われる材料はほとんど存在しないことになります。

ただ米国FRBのQT資産縮小が進む過程で株式相場が激しく下落するような展開になると金利差で上昇したドル円も一転下落するリスクが常にあり、米国から円安について厳しい指摘が出始めるといきなり反転ということも考えておく必要がありそうです。

常に逆の動きをする相場が示現する可能性も視野に入れながらトレードしていきたい一週間です。