23日の感謝祭、翌日のブラックフライデーを控え、すでに多くのファンドマネージャーは市場から撤退する動きを見せています。

中には、このままクリスマス明けまで長期休暇を取得するトレーダーもいる一方で、損益状況が芳しくなかったため、ここから年末にかけて一勝負したいと考える市場参加者も少なくありません。

感謝祭明けからクリスマス前までの3週間、クリスマス商戦の相場はどのような動きを見せるのでしょうか。

クリスマス商戦の時期はポジション調整が活発に

例年、感謝祭の翌週からクリスマス休暇が始まるまでの約3週間は、ポジション調整の動きがよく見られます。

この調整は、これから始まる休暇中に予期せぬ事態が発生し、想定外の損失を抱えてしまうリスクを回避するために行われます。

そのため、主に株式市場で活況相場となることがよくあります。

為替市場でもこのシーズンに相場が上昇することはよくあることですが、一定のアノマリーを伴う上昇であるため、今年も例年同様の動きが見られるのかどうかが注目されます。

米株「マグニフィセント・セブン」の取引に注目

今年米株市場で抜群のパフォーマンスをあげたのが「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7銘柄です。

GAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドットコム、メタ・プラットフォームズ)と呼ばれる主要5銘柄に、エヌビディアとテスラを加えた7銘柄のことで、特にエヌビディアは5月末時点で年初来約2.6倍の上昇を見せ、その後も好調な水準を維持しています。

本来の「マグニフィセント・セブン」は、2016年に米国で公開された西部劇映画のタイトルであり、これは1954年公開の邦画「七人の侍」が原案となっています。

S&P500の中でもこの7銘柄はダントツに高いパフォーマンスを維持しているため、S&P500から特定銘柄の集中投資に切り替える投資家も増えつつあります。

今年も感謝祭後に活況相場が示現することがあれば、上記の7銘柄はしっかりチェックしておきたいところです。

日経平均も年末に向け上昇傾向強く

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足元の日経平均は、取引時間中ベースのバブル崩壊後の戻り高値33,772円を一時上回っており、34,000円の年内到達も視野に入り始めていますが、達成感も高く感謝祭を前に一進一退を繰り返している状況です。

この時期に上昇しやすいことは過去20年のデータで証明されているため、感謝祭後の上伸が大いに期待される状況です。

為替取引にもこの時期ならではの動きが顕著に

株式市場ほどではありませんが、為替市場でもこの時期に積極的に取引される通貨ペアがあります。

代表となるのがドル円で、感謝祭前のポジション調整として足元では4.7円もの円高方向に振れている状況ですが、本来は感謝祭が終わるとドル高を示現しやすくなる傾向があります。

 

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Equityclock.comの過去20年のデータによると、11月末に一旦円高に振れたドル円は、その後ドル高に推移することが多く、そのまま年末まで走ることもあります。(上のチャートは上方向が円高、下方向がドル高)

毎年このとおりになるとは限りませんが、実需のドル買いなど我々が可視化できない材料によりこうした動きになることは意識しておきたいところです。

 

また、ユーロドルも年末に向けて例年ユーロ買いの実需が強まるため、ユーロ高になりやすいという特徴があります。

足元ではユーロドルがドルの下落と逆相関し上昇し始めていますが、特に12月にかけては1年で最もユーロ高になりやすい時期であるため、今からしっかりとチェックしておくことが大切です。

 

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ニュージーランドドルも年末の上昇が顕著な通貨ペアです。

今の時期、ニュージーランドドルは上昇確率が一段と高くなりやすく、年末に向けては対米ドルでも対円でも同じような動きを見せることで有名です。

ただ、12月初旬に上昇してその後一旦大きく下落してから年末に再上昇することが多いため、11月末に買った場合は利確のタイミングを逃さないようにする工夫が必要です。

 

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ここまでご紹介した通貨ペアは、あくまでも過去20年のデータを基にした話であるため、今年もまた例年同様の動きが出るという確証はありません。

また、20年のデータ平均と言っても、毎年微妙な変化が加味されていくため、常に一律の動きではないことも理解しておく必要があります。

感謝祭、ブラックフライデーの後は、いよいよクリスマス商戦のシーズンとなります。

利益機会のある金融商品を見極め堅実なトレードを心がけたいものです。