市場では6月末からのバーゼルⅢ運用厳格化再開にともなって金相場が対ドルで上昇しはじめるのではないかといった観測が強まっています。

実はあまり知られていないことですがロンドン地金協会、通称LBMAは今年の1月新型コロナ禍における免除の一貫としてバーゼルⅢの規則の履行を半年間免れてきたものの、それが新型コロナの回復が進んだことから今年の6月28日以降は正式にその適用を受けることになるため結果として金価格とと銀の価格が大幅上昇するのではないかという見通しが強まっているのがその理由です。

金価格というのはすでに元BOEや元FRBなどの担当者が語っているようにこれまで相当なマニピュレーションが行われてきたのは事実のようで、特に金については2000ドルを超えると必ず相場を叩く層が現れてそれ以上上昇しないという非常に不可解な相場が長く続いてきたのが事実です。

しかしバーゼルⅢの厳重適用が履行され特にLBMAでの取引きが厳格化されば中央銀行と言えどもその規制に従わざるをえなくなり、金と銀の価格は適正に上昇していくことが予想されるというのが大方の見方になっています。

特に主要中央銀行が対ドルベースで2000ドルを超えると大幅に空売りしてきた行為が事実上禁止の状態ではかなり金が上昇することが期待されるため、この6月末からの金市場に非常に市場参加者の関心が高まりを見せています。

金の上昇はドル円の下落につながるかもしれない大きな注目点

仮に7月以降、対ドルベースで金価格が2000ドルを明確に上回り上昇トレンドを形成することになりますと、為替で注目されるのが金とは完全に逆相関関係にあるドル円の動きということになります。

足もとではドル円価格もボラティリティが異常に低下してしまい膠着した状況にありますが、金価格が上振れした場合には逆に下落するリスクもあり、どこまで下がるかはもちろんはっきりは判りませんが、このところのFRBの過度なドルの市中への供給も相まってドル安相場が全面的に展開する恐れも想定する必要がでてきているようです。

金への直接的取引に比べますとインパクトは薄れることになりますが、既存のFX取引の枠組みの中で金上昇を享受するということであれば面白いトレードといえそうです。

個人投資家はどのように対応すべきなのか

個人投資家が金の市場売買に参加する場合にはCFDで購入することが当然可能になりますが金の場合、購入、つまりロングにしますと金利調整額がそれなりにかかりますので余分なコストを負担することを加味して利益を模索する必要がでてくることになります。

しかし海外FXの場合ですと国内の金のCFD取引きでは提供されない高いレバレッジを利用することも可能になりますから少額の投資資金で大きな利益を確保することもできるため、実際に取引きするかどうかは別にして海外FXの金口座を比較、検討してみることはかなり有益な作業になりそうです。

FRBはこの先インフレが起きても一時的であると繰り返し述べていますが、インフレの足音は確実に近づいてきており、我々個人投資家の投資戦略もインフレを相当意識したポートフォーリオにすることが必要になってきています。

そのためにも金のCFDを取引きすることは絶好の機会になる可能性がありそうで、前もって研究する価値はかなり高そうです。

市場ではこのバーゼルⅢの話はかなり広範に事前理解されているようで、ここのところ上値の重い金も意外に底値が堅くなりつつあります。

これは多くの投資家が押し目買いを狙っている可能性を示唆しているかも知れず、ここからの相場の推移を注意深く見守っていくことが重要になりそうです。