週明けはすでに5月終了、6月相場に突入することになります。
この3か月近く、とにかくFRBが連続利上げすることが予想されるため米債金利も大幅に上昇、それを受けてドルは対円でも対ユーロでも強含み、とくに円安が凄まじく進むこととなりました。
しかし5月中盤からすでに3週間ドルは週足ベースで弱含みはじめており、相場の流れにも変化が生じ始めています。
今週一週間はそんな変化を受け止める一週間になりそうです。
FRBの利上げ見通しを低下させるアナリストレポートが続出
5月FOMC直後には、年内に開催されるFOMCで利上げが行われ少なくとも政策金利は年内に2.5%、さらに上昇すれば3%程度へと上伸するであろうことが市場の予測となってきましたが、先週発表されたFOMC議事録や直近の経済指標からインフレはすでにピークアウトし始めている可能性を市場が見るようになっており、FRBも6月、7月はすでに自ら示唆しているように0.5ポイントづつの利上げを実施しても、9月には一旦停止して様子を見るのではないかといった憶測が出回りはじめています。
これは金融機関のアナリストが一方的に憶測で書いているものなので本当にそうなるのかは分かりませんが、市場参加者の多くがFRBは利上げを一方的に続けることはできないとかなり否定的な見方をしはじめているようで、これを受けて米株の買戻しも進んでいるようです。
ただし単月とはいえ、すでにCPIが8%を超えるインフレレベルが示現しており、政策金利を1.5%に引き上げても抑制できるとは思えず、ここからは9月のFOMCでどのような判断になるのかが大きく注目されることになりそうです。
確かに中間選挙は11月と接近しつつあり、このまま利上げを継続した場合選挙前に株価が大きく下げるリスクは常に残ることになるので、こうした予測が市場に出回るのはよく理解できる状況です。
ただ米国民にとっては株価よりガソリンや日用品の価格が大幅に上昇することのほうが大きな不満となるため、バイデン政権としてもそのあたりをどうバランスをとりながら乗り越えていくのかが非常の大きな問題で、為替もここから相当な影響を受けることになるでしょう。
ドル円は株価と経済指標次第で下落リスク上昇
先週初の24日に127円を下抜けたドル円は126.360円まで下落する展開となりましたが、連日上値を切り下げたことでさらに125円台に突っ込むかと思われたものの、意外にの下値も堅く、何度も127円台に戻る動きを見せており、ここからさらなる下落を示現するためには新たな材料を必要としているように思われます。
週明け米国市場ではISM製造量景況感指数が悪化する可能性が予測されていますが、これが起爆剤となれば株価の下落も相まって、さらに125円台を試しに行く可能性も否定できないところです。
またそれよりさらに深く下落した場合は完全に上昇トレンドは絶たれる可能性もあり、この週の動きが先行きを示すものとして機能することも視野に入れておきたいところです。
ユーロドルは7月利上げ期待の上昇に注目
一方、ここのところ長く低迷していたユーロは、先週月曜日の23日にECB(欧州中央銀行)のラガルド総裁が、政策金利を7月に引き上げる可能性を表明し、さらに加えて9月末までにマイナス金利から脱却する公算が大きいとの見通しも明らかにしたことを受けて、大きく買い戻しが進みました。
ただ週末にかけては一旦押し戻される動きもでており、6月9日のECB理事会にむけてこのまま上昇するかに注目が集まっています。
利上げがさらに確定的な状況になれば1.1レベルまで値を戻すことは十分に期待できますが、欧州も景気は相当悪化中で経済指標が鈍化した場合には一旦ユーロ売りになる危険性も残されています。
利上げを市場が完全い織り込めば逆に売りに向うことも考えられるだけに、ここからの相場の動きを注視することが重要な一週間になりそうです。
6月相場入りで市場のセンチメントは微妙に変化しつつあるようで、ここまでの動きがそのまま継続するとは考えにくくなっています。
一時的にドルが下押しする時間がさらに続くことも考えられますが、FRBが少なくともここから2回は継続して利上げを行うのもまた事実です。
ECBが利上げに踏み切った場合、ユーロ円の上昇からドル円が押し上げられるといった状況が示現することも十分に想定して取引をしていきたい月末・月初週です。