毎年米国のレイバーデー明けは相場が大きく動き出すといいますが、今年の為替相場はまさにそれで、とくに円売りが猛烈に加速した一週間となりました。
基本的には投機筋がまた円売りを再開したことが大きな要因となっているようですが、米国も欧州も相次いで利上げを行い、それがまだ途上にあることを考えると日銀との政策差は一段と際立つ状況になっており、多くの市場参加者がどこまでドル円が上昇するのかを注目する中で短時間で凄まじい上昇を喫することとなりました。

さらに、これまで凄まじい調整下落も示現したことから、週の前半は売りで担がれた人が多く損切を余儀なくされ、週末金曜日は逆にロングが徹底的に刈られるというかなり傷んだ相場展開となりました。

問題は週明けから月末までの動きとなり、果たしてドル円、クロス円は円安基調に復帰するのか、ここからさらに調整下落に転じるのかに大きな関心が集まっています。

投機筋総出動で暴騰したドル円

Data Tradingview

6日、米国がレイバーデーであったことから静かな動きが予想されましたが、実際には東京タイムから上がり始めたドル円はどんどん上昇し始めることとなり、東京、ロンドン、NYと連続的な上げを記録して7日のNYタイムには瞬間145円をぎりぎりつけるほどの上昇を示現することになります。
ここまで一気に上昇すると想定していなかった国内の個人投資家勢は、ショートを振ってかなり切らされることとなり、いよいよ宗旨替えから押し目局面では買いに転じる動きとなりました。

ところが投機筋が無理やり買い上げた相場だけあって場が薄く、金曜日に黒田総裁と岸田首相が会談するといった報道が出た途端にロングのリカクが出始めてドル円はあっという間に下落に転じ、夕刻7時45分頃にはとうとう141.500円に接近するところまで下落し、なんと週の上昇のほとんどを吐き出すという凄まじい結果になります。
145円より上を期待して130円台からロングポジションを保有したままの向きにとっては幻の非実現利益となってしまいしたが、140円台途上からロングでエントリーした向きはこの相場で切らされてしまったことは事実のようで、その傷み具合が心配されるところです。

ショートが積みあがった中を潰して上がるじり高相場ならいざ知らず、投機筋だけが短時間に急激に買いあげる相場ほど危ないものはなく、今回のようにいとも簡単に戻りの下落を余儀なくされてしまうことには相当な注意が必要であることを市場参加者に訴えた相場となってしまいました。

金曜日の大幅下落が大きく注目されていますが、底値の141.500円からすでに1円以上値を戻しているのもまた事実で、今週以降米国のCPIの発表を通過して来週のFOMCに向けてドル円が再度上昇軌道に乗れるのかをしっかりチェックしたいところです。

ECB利上げで買い戻されたユーロも賞味期限が気になるところ

ユーロドルはECBが理事会で決定した75bpの利上げを好感し、何とか対ドルでパリティ以上をキープする動きとなっています。

Data Tradingview

ただ、足もとのEU圏のインフレ率はすでに米国を上回る状況で、さらに冬に向けてはエネルギー価格の高騰からさらにインフレが進みそうな中にあり、75bp利上げを一回だけ実施した位では全くインフレ対策にはなっていないのが現実問題です。
さらに10月以降の利上げを加速させていかない限り、どこかでまたユーロが大きく下落するリスクに直面することになりかねず、こちらの動きも目が離せない時間帯に入っていきそうです。
とくにFRBがここから積極的に利上げを継続した場合、ユーロドルでドルが買われる可能性は非常に高くなるので、やはりどこかで売り場を考える相場になるでしょう。

足もとではロシアの原油を結局目立たないように第三国もしくは海上で買っているのはほとんど欧州諸国であるという厳しい話もではじめており、EU圏の経済と国民生活は前途多難な状況が続くだけに、ここからのEU圏の金融市場の動きも注視すべき時間帯となります。

週明け相場の最大のポイントはやはり米国CPIの発表

週明け相場で大きく注目されるのは月次の米国CPIの発表です。
13日日本時間午後9時30分に発表となるこの指数は、市場予想では前回8.5%から8.1%へと低下することが予想されています。

すでにFRBパウエル議長は徹底的にインフレと対峙すると宣言しており、月次のCPIが年率で8%程度に下がったところで利上げを急に取り下げるような動きにはならないものと思われますが、市場参加者はアルゴリズムを中心として過分な反応をする可能性もあるので、ドルの上下動には相当注意が必要になりそうです。

9月相場は想像以上に難しく、ぼんやりトレードしていると足もとを救われかねない状況が続きます。
しっかり相場の状況を読み取ってからポジションを作るといった慎重さが引き続き求められる一週間になるでしょう。