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FTXの問題は時間が経つにつれ、資金管理が滅茶苦茶で中で働いている従業員も知らぬ間にサム・バンクマンフリード、通称SBFが顧客から預かった資金さえも適当にレバレッジをかけて投資に利用していたことが露見しはじめており、取引所はまったく信用ならないものというレッテルが貼られることになりました。
しかも驚いたことに、FTXの今回の経営破綻の何カ月も前からマンハッタンの連邦検察当局がFTXの捜査を開始していたことが捜査に詳しい複数の関係者の話で明らかになっており、決して突然問題が浮上したわけでないことも見え始めています。

FTXが起こした犯罪の全容はこれから明らかになると思われますが、すでにFTXの事業に関してエクスポージャーの高い企業の連鎖破綻が始まっており、まだまだ注意が必要な状況です。

仮想通貨レンディングビジネスはもうお仕舞か

足もとでほとんど破綻するのではないかとされているのが仮想通貨の貸付業者であるブロックファイで、既に従業員によれば破産申請を準備中ではないかという話も伝わりはじめています。
ブロックファイは先週顧客の資金引き出しを停止しており、まともな運営が出来ていない状況のようです。
ブロックファイの場合、FTXとの直接取引というよりはSBFが個人的に保有してきたアラメダリサーチとの関係も強かったようで、足もとのFTX関連企業の壊滅的状況を見るともはや破綻は免れないのではないかといった状況に見えます。

また、仮想通貨取引ではかなり有名なジェネシスもレンディングの部門では顧客の出金を停止しており、早い話が取付騒ぎに対応できる流動性資金が枯渇していることが露見しはじめています。
前々から年利6%以上などという高利の配当を行うレンディング業者はただの高利貸ではないかという市場の指摘もありましたが、FTXが破綻するとそれがすべて表にさらけ出される状況になっており、仮想通貨取引所界隈の信用はガタ落ち状態に陥っています。

今のところ金融市場全般に飛び火はなっていないようですが、FTXに関しては出資者も預入した人達も資金を失い、回収できる可能性はほぼない状況となっており、問題が発生するのはこれからかも知れません。

仮想通貨はビットコインをはじめ軒並み下落がはじまった

足もとで一番動きが出始めているのが仮想通貨そのものの売買で、多くの個人投資家が取引所に資金をいれていたのではいつ吹っ飛ばされて何もなくなることになるか判らないという危機感から資金の引き出しや仮想通貨自体の売却を始めており、さながら取付騒ぎのような様相を呈し始めているのが気になるところです。

ビットコインはとうとう1万6千ドルを対ドルは割り込みはじめており、マイニングのコストを下まわっているとの指摘も出始めていますが、もはやそれがフェアバリューであるとする人は存在しなくなっていて、さらに価格が下落することが危惧されます。
こうした売りに関してはどのタイミングで落ち着くことになるのかは全くわからないで、下手をすれば相当長い時間継続することも覚悟しておく必要がでてきているようです。

さらに問題になってきているのが主要国の金融当局が厳しい規制に乗り出そうをしていることで、さすがにいきなり取引禁止とはならないまでも、売買にあたって余分な規制プロセスが加わる可能性は覚悟せざるを得ない状況になっているようです。
自由な取引ができなくなれば当然売買にも影響がでることになり、取引量の現象は流動性を欠くことからまた相場が下落することも心配されます。

本来取引所が引き起こした問題のため個別の仮想通貨に影響が出る必要はありませんが、売買の拠点がすっかり信認性を失ってしまったことからこうした相場下落が現実のものになってしまっています。
当然こうした状況はFX業者が提供する仮想通貨FXにも影響を与えているので、日頃以上に注意深いトレードが必要となります。
また、落ち着くまでは一旦売買を控えるというのも有効な方法になるかもしれません。
くれぐれもお気をつけください。