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いよいよ1月も最終週となり週央からは2月相場に突入しますが、市場の関心は引き続き30日、31日に開催されるFOMCの政策発表に向かっています。

FOMCの政策については、今のところ変更は見込まれていませんが、大きな注目が集まっているのは、その後行われるパウエル議長の会見です。

この会見の内容によってはドル円が4円以上動く可能性がありますが、テクニカル的には予想することができない材料であるため、日本時間の2月1日午前4時半前後は特に注意が必要です。

昨年12月のFOMCでパウエル議長は、ホワイトハウスからのプレッシャーを受け、利下げを示唆する発言を行ったとの見方が強まっており、この発言により相場は利下げ見通しに舵を切ることになりました。

年末には3月の利下げを100%織り込む始末となったため、FOMCメンバーは市場に対し必死に巻き戻し発言を繰り返し、1月になってようやく落ちつく気配を見せています。

ただそれでも足元では、依然46.2%の確率で3月の利下げを織り込んでおり、FRBがこの市場期待をどう制御していくかが大きな焦点となりそうです。

相場の事前予測通り、当面利下げは行わないということになれば、ドル円は一旦150円方向へ向かうことが予想されますが、パウエル議長が12月のFOMCと同様に利下げに含みを持たせた発言を行えば、相場は146円方向に下落する可能性もあるため、これまで以上にパウエル議長の発言は重要な材料となりそうです。

3月の利下げを予測する投資家やアナリストが増加中

2000年のITバブル崩壊時は、利上げ終了から利下げに転じるまでに8カ月のリードタイムがありましたが、それでも利下げの開始とともに相場は大暴落しています。

またリーマンショック時は、14か月ものリードタイムがあったにもかかわらず、利下げが始まった途端に相場が大きく崩れる事態に陥りました。

もちろん利上げから利下げに転じるとすべからく相場が暴落するという訳ではありませんが、そのリスクが相当高いことは確かで、この暴落の経験者たちは利上げ停止からわずか半年での利下げ実施に対し、非情に強い危機感を抱いているのが現状です。

また、新債券の帝王であるジェフリー・ガンドラック氏は、FRBは利上げ状態を維持することができず、3月には利下げに転じざるを得なくなるとの見解を示しており、ウォール街の著名アナリストもこの見方に賛同する向きが多く、相場の先行き予測にはバラつきが出ている状況です。

連邦債務はすでに34兆ドルにも上っており、金利負担だけでも税収では追いつかないほどの危機的状況を迎えていますが、それだけを理由にそそくさと利下げに転じていいものかどうかは意見が分かれるところです。

ドル円は150円方向を狙う動きが加速

1月に148円台でヘッド&ショルダーを形成したドル円は、その後の日銀政策決定会合を受け、一旦は146円台まで下落する展開となりました。

しかしその後はそれ以上下値を下げることはなく、予想を上回る経済指標と米債金利の上昇を受けて結局は上方向に動く流れとなりました。

先週は、それまで何度も止められてきた148円を突破し148.200円で週の取引を終えているため、月末最終週となる今週はFOMCでよほどの政策変更が行われない限り、150円方向を狙う動きが加速することが予想されます。

ただし150円以上は上値が重いため、下がるに下がらず上値もそれほど青天井ではない状態が続きそうです。

そのためここからは、FOMCまでは押し目買いを継続し、その後はFOMCの結果を見て今後の方向感を見極めていく必要がありそうです。

 

過去1か月のドル円の動き

ユーロドルは引き続きドル次第の展開に

このところ一段と存在感が薄れつつあるユーロドルですが、今週もドルの動きと逆相関の動きになることが予想されるため、まずはFOMC後のドルストレートの動きを見てから先行きを予測する必要がありそうです。

発想としてはかなり消極的ではありますが、市場の注目がFOMCとドルの動きである以上仕方のない状況です。

 

ここ2か月余り、為替相場はFRBの政策決定をめぐる憶測に振り回されている状況です。

今回のFOMCでパウエル議長が、誤解を招くような発言を行わずに逃げ切ったとしても、3月のFOMCでまた同じ問題が再燃するのは必至であるため、この中途半端な相場状況はまだまだ続くことが予想されます。

パウエル議長は、ホワイトハウス側からあれこれとプレッシャーを受けているように見られますが、現状としてはバイデン大統領が出馬を断念する可能性もあり、不確定要素はこの先さらに拡大していくと見られます。

難しい相場状況の中、妙な動きに巻き込まれ大きな損失を出さないよう注意していきたい1週間です。