2月第二週の為替相場は、円が大きく売られる展開となりましたが、そのきっかけとなったのは、金融経済懇談会での日銀・内田副総裁の発言と、それを上書きするかのような翌日の植田総裁の発言です。

 

マイナス金利だけは解除したいという日銀の意向は、以前より日銀ウォッチャーや関係者の発言により浮上していましたが、今回の発言ではマイナス金利を解除してもその後連続的に利上げを行うことはないとの考えをはっきり示す結果となりました。

海外の投資家たちはこの発言を、日銀が円安を容認し、年内は緩和を継続する意向であると認識したため、ドル円は上昇し外人買いが中心の日経平均に買いが押し寄せる展開となり、金曜にはザラ場で一時3万7000円というバブル崩壊後最高値を更新することとなりました。

日本では12日の月曜が休日にあたるため、相場は利確による下落で週の取引を終えていますが、週明け以降またぶり返す可能性も高く、ドル円および日本株は徐々にバブル相場に巻き込まれて行きそうな展開となっています。

 

内田副総裁発言で一気に上昇した先週のドル円相場

日銀の政策意向を海外勢は国策的円安の継続と判断

国内では、国債費の上昇や日銀自身が保有する国債の含み損の問題等があるため、マイナス金利の解除後に利上げを継続する意思がないという日銀の意向は、想像に難くありませんが、海外勢はマイナス金利だけを外し緩和は継続するという状況を、円安政策の継続と受け止めたようです。

したがって、ドル円はここから150円方向に上昇する可能性が濃厚ですが、日経平均の大幅上昇に伴いさらに上昇するリスクも考えておく必要がありそうです。

鈴木財務大臣は150円という水準感だけで牽制を行っていますが、今後急激な為替変動が起きないまま連日50銭程度のじり高が続けば、介入する機会を逃しついには160円にまで到達する可能性さえもあります。

さすがに、160円に接近するという話はにわかには信じ難いものがありますが、今回の内田副総裁発言がその流れを作り出してしまったことは確かで、その流れを変えることは容易ではなさそうです。

S&P500は史上最高値を更新、もう一段上の相場展開か

米国株式市場はAI関連の株が大きくリードしていますが、市場には大統領選が終わるまでどの指数や銘柄を買っても確実に上昇するという先行き判断が広がっているため、上昇はまだまだ続きそうな状況です。

 

S&P500は史上最高値を更新

 

S&P500は先週史上最高値を更新しており、一旦はピークをつけたのではないかという印象があるものの、この動きは大統領選挙が終了するまで継続する可能性が高く、もう一段上の相場展開になることも想定しておく必要がありそうです。

米株については、新型NISAの導入により日本の個人投資家が大量にドル転した資金を投入していることもドル高円安の要因になっています。

また、国内の株式市場では日本の個人投資家が現物を売る動きを見せる中、海外の投資家が大量に日経平均を買う動きを見せており、このまま円安が進めばドル円に連動し株価水準もさらに上昇し、3万9000円台も視野に入ってきている状況です。

 

ただ、足元の株式市場は新型NISAの影響により、これまで株に興味のなかった個人投資家たちもなだれ込む状況に陥っているため、一方的な上昇では終わらない可能性も意識しておく必要がありそうです。

 

取引をする際はトレンドフォローの時も必ずストップロスを入れることが基本となりますが、現状では株式相場も為替相場もレベル感だけで迂闊に参入すると、大きな損失に見舞われる可能性が高いだけにいつも以上の注意が必要です。

為替市場をリードしているのはドル高と円安であり、今のドル円は最も大きく動きやすい状況にあります。

昨年の金融当局の動きを考えると、152円を超えた段階で財務省による為替介入が行われるリスクが高まりますが、だからといって介入狙いの戻り売りを行うのにも大きなリスクが付きまといます。

 

週明けから3月末あたりまでは、相場動向の試金石となるだけに引き続き最大限の注意が必要な一週間となりそうです。