ウクライナ情勢がさらに深刻化する中、24日の日曜日にはフランス大統領選挙の決戦投票が行われます。
10日に行われた第1回投票ではマクロンが前回を上回る27.84%でトップ、ルペンは23.15%を得票し24日はこの2名の候補で決戦投票となります。

直近の世論調査でもマクロンのほうが支持率をリードしていますので、大方の見方としてはマクロン勝利となっていますが、選挙とは予想ができないものです。

2016年の英国のBREXIT投票でも事前ならびに投票直後の世論調査では離脱回避と出たにもかかわらず、結果はBREXIT成立となったまさかの過去もあるだけに、結果がでるまでは相当な注意が必要になりそうな状況です。

フランス大統領選ポスター

現役大統領なのに労働者層からの人気が低いマクロン

前回2017年の大統領選挙の決戦投票ではほぼダブルスコアでマクロンがルペンに勝利していますが、今回はその差が相当縮小していると言われています。

その大きな理由は現職大統領のマクロンが富裕層に対する優遇政策が多く労働者や貧困層からの支持が低いためです。

直近ではウクライナ危機においていち早くプーチンにアプローチしたりウクライナのゼレンスキー大統領に頻繁に電話連絡するなど、EUの中ではもっともアクティブに行動してきたように見えます。

しかしフランス国内ではゼレンスキーの人気にあやかろうとするあざとい行動であるとの批判も強いようで、必ずしもこうしたイメージ戦略が支持率に繋がっていないことも見えてきます。

現職大統領なので本来はもっとメリットが活かせるはずなのにこれだけ人気が限定化していることを見ると、想像以上にマクロンの戦いは厳しいところにあることが見えてくる状況です。

プーチンとかなり近しいルペンもロシアと距離を置く動きに

一方極右のルペンもいくつもの問題を抱えており、単純に極右だからというだけで支持率を落としているわけではない現実に直面しています。

ひとつは今欧州で最大の問題になっているロシアのプーチンと非常に緊密な関係にあることで、これについては選挙直前ではあるものの必死に火消しに回っていることが窺われます。
また、ルペンはNATOの統合軍事機構から脱退する方針を主張しており、ウクライナでの和平成立後、NATOはロシアに戦略的に接近すべきだとしてロシアとの対立を避けることがフランスの利益に繋がると明言している点も、有権者の支持に繋がるのかどうかかなり怪しくなってきています。

さらにシリアからの移民問題があったことからルペンは移民に対しても厳しい態度をとっていますが、ウクライナからの移民の受け入れで欧州圏の人々の移民に対する考え方も大きく変化しており、これもプラスに働かない可能性がでてきています。

左派系の国民がだれを選択するのかが最大のポイントに

今回のフランス大統領選挙は左派系候補がほとんど脱落しており、紛れもなく保守と右派主導の選挙ということになります。

それだけに左派系候補に投票していた国民がどちらの支持にまわるかが大きなポイントになりそうで、支持率調査だけではまだまだ分かりません。

開票してみてびっくりという事態に陥ることも十分にありそうな状況です。

投票は24日で開票結果は翌日には判明するため、ちょうど週明けの東京タイムに引っかかることも予想され、大荒れ相場の影響を受けないように相当な注意が必要です。

市場はマクロンの敗北は全くと言っていいほど織り込んでいないので、そうした想定外の結果がでれば対ドルでは1.04000レベルまで下落する可能性も否定できず、それにあわせてドルが上昇することでドル円もさらに上昇という可能性が高まりそうです。

ルペンが勝利した場合欧州情勢にも大きな影響がでることは必至であり、株や為替の一過性の動きの問題をさらに超えるEU圏の問題に発展することも十分に想定できます。

マクロンが単純に勝利ということであれば単なる取り越し苦労の笑い話になりそうですが、週末に関しては余分なポジションを持ち越さず、またストップロスなどもしっかり置くようにして万が一の事態でも大きな損失を被らない準備を怠らないようにしましょう。