感謝祭、ブラックフライデーを通過していよいよ週明けは年末までのラストスパートの時期に入ることになります。
11月相場では米国の単月CPIが鈍化し、さらにその先行指標となるPPIも数字が低下したことからインフレのピークは過ぎ、FRBもここから積極的に利上げを行わなくなるのではないかといった市場にとっては都合のいい楽観論が広がることとなりました。
しかし利上げ幅こそ75ベーシスポイントから低下するとしてもどこまで利上げを継続するかはFRBとしてもまだ決定していないのが実情となり、ドルがこの先再上昇するのかいよいよ本格的な下落に転じることになるのかはまだ全く断定できず、金融機関が出してくる2023年の相場予測もまちまちになりつつあります。

その位プロが判断しても先行き見通しがはっきりしないので個人投資家としてはここで方向を断定してトレードするのは禁物で、とにかくここからの相場の動きを粒さに観察する必要がある時期に入っていることがわかります。

ドル円は11月とうとう14円も円高にシフト

今年はとにかく円安が進んだのが為替相場の大きな特徴でしたが11月には相当崩れることとなり、すでに先週末までで14円近く、最高値から見ますと61.8%の下落を達成しています。

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レベル的にはかなりいい線まで落ちた感がありますが、戻りもかなり重たいのが実情で、週末の米国雇用統計、さらに12月に入ってからの13日FOMC直前の11月CPIの内容次第ではさらに下落する可能性もあり相当注意が必要になりそうです。

ただ実需面で見ると12月にかけてはかなりドル買い需要が強まるので、一定の下落がでれば実需の輸入勢が買い向かうことからそれほど大きな下落は年末まではないのではないかと言った見方も根強く残っています。
今月末から来月初旬に向けては長期にドル円のロングポジションをもっていた投機筋や機関投資家が一気に手仕舞いをかけてくることもあるため、一時的に大きく相場が下落することに注意をする必要もでてきます。
ドル円の場合マザーマーケットである東京タイムに大玉のほどき売りを出してくる向きも多くなるので、いきなり大幅下落に巻き込まれないようにする必要もありそうです。

現状では米債金利は低下気味ですがそれでも全く金利がつかない日本円を考えるとドル円を長期にショートで保有するというのは相当難しいものがあり、一時的な下落はあっても下落がトレンド化するにはFRBの利上げのターミネーションレートが確定するなど別の要件が伴うことが前提となりそうで、年明けのFRBの動きにも注目が集まるところです。

最新のドル円のシーズナルサイクルから言えば12月初旬は円安傾向に

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過去20年のドル円のシーズナルサイクルを見ると12月は初旬が円安になりやすく、後半にかけてまた円高が進むというのが一つの形になっています。(上のチャートでは上が円高、下が円安です。)
今年については全くこのサイクルを逸脱して動いていたため年末だけがサイクル通りになるとは言えませんが、一応頭の片隅に入れておきたい情報です。

ユーロは反騰の時期に差し掛かる可能性

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この3日間あまり大きく値を下げたままの動きとなったユーロドルですが、FRBの利上げスピードが鈍化するといった予測に加えECBも積極的な利上げに踏み切るといった観測が高まっていることから、11月後半に向けて反転上昇する動きがみられています。
まだ確実に上昇に転じるかどうかはドル次第のところもありますので断定はできませんが、例年の年末のユーロドルの動きを考えても一定の上昇を期待することはできそうで、今月末というよりも12月末に向けて買いのタイミングを探るのが得策になりそうです。

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最新のユーロドルのシーズナルチャートを見ても12月はかなり上昇が期待できる月で、先行き不透明なドル円に関わるよりもユーロに集中してみるというのも一つの戦略になりそうです。
ただ年初は下落する傾向があるのであくまで年内にリカクして行くことが重要で、売買のタイミングを十分にはかることが肝要になりそうです。
ただ、ユーロが戻るといっても大きくトレンド転換するまでにはまだ時間がかかりそうで、そのあたりも大きな期待をせずに取り組んでいくことが重要です。

感謝祭を過ぎるとクリスマスシーズンの前までに一旦相場は手仕舞いの時期を迎えることになりますが、幸か不幸か今年は12月15日午前4時に12月のFOMCの発表があるため少なくともそこまでは相場が動くことが期待できそうで、混沌とした12月相場をどう乗り切っていくかを考えながら週明け11月最終週の相場に向き合いたいところです。
年末稼働できるのも週明けを含めて最大3週間となりますので、先を見据えた取引を考える時期であることをしっかり認識しておきたいところです。