市場が異常とも言えるほど期待した主要三中銀の政策決定会合を通過し、いよいよ月末、四半期末、半期末が重なる為替相場へと突き進んでいくことになります。

米国FRB、英国BOE、本邦日銀ともに結局現状維持となったことから、また材料難の一週間を過ごすことになりそうですが、期末・月末特有のリバランスの影響を受け、思わぬ方向に動くことにも注意しながらトレードを進めてい必要がありそうです。

147円台前半のヨコ展開から下落、買戻しの一週間

週初のドル円相場は、大きなイベントを控え殆ど動きが見られず、147円台前半のヨコ展開が続きました。

明確な動きが出たのは、FOMC結果発表の9時間前頃からで、発表を待たずにストップロスを巻き込みショートカバーで148円超えを試したものの、その後は持ち高調整から147円台中盤でFOMCを迎え撃つ恰好となりました。

結果は前述のとおり利上げは見送りとなりましたが、パウエル議長は市場が期待する利上げの終了を口にすることはなく、まだ利上げのオプションがあることを強く示唆しました。

これを受けてドル円は予想どおり148円台に再突入し、翌朝(木曜日)の東京タイムには148.300円超えまで上昇しロンドン勢の参入を待つことになりました。

日銀会合を控え具体的な動きが出たのは、ロンドンタイム後半からニューヨークタイム前半にかけてです。

後の報道によると、機関投資家が大量のドル円とクロス円の売りを行ったことから、ドル円は148円を維持することが難しい流れとなり、午後9時半に行われた複数の米国経済指標で債券金利の上昇が発表されるも下落をはじめ、さらにはロングのストップロスが次々ヒットする形となり、金曜午前0時半には147.360円レベルまで下落する展開となってしまったとの事です。

多くの市場関係者はこの動きに驚きを隠せず、特に無風で会合を通過すると考えていた本邦勢は日銀会合の発表前夜に、はからずもロングを投げさせられるといった悔しい展開となってしまいました。

ドル円と同時刻にクロス円も下落することになりましたが、22日のお昼前に日銀から政策変更なしのアナウンスが出たことで買戻しが起こり、結果的に前日深夜から1円近いドル円の上昇が見られました。

その後のドル円は148円台をキープし147.300円一歩手前で週の取引を終えていますが、この間に起こったドル円の下落と買戻しに、儲けを取り逃がしたり損失を食らう投資家が多かったであろうことは、容易に想像できる状況でした。

ドル円一週間の動き

週明けは材料難で伸び悩み、本邦財務省と投機筋との介入神経戦には注意

毎回主要中銀決定会合が終わると、相場は動意材料を失いヨコ展開に陥る通貨ペアが多くみられますが、週明けのドル円はすでに148円台中盤からのスタートとなっているため、投機筋の仕掛け買いで150円に接近した場合、財務省の円買い介入が待ち構えている可能性も十分あります。

これが現実となった場合、投入資金次第では8~9円といった140円レベルまでの下落に見舞われる可能性もあるため、ロングのトレードについては細心の注意が必要です。

また月末特有のリバランスにより想定外の買い玉売り玉が出たり、四半期末、半期末の決算に絡むレパトリで大量送金が出ると相場が一変するリスクも高まります。

ユーロドルはとうとう10週連続の陰線引け

ユーロドルは依然として弱さを継続中で、とうとう先週末には週足ベースで10週連続の陰線引けという、これまでほとんどお目にかかったことのない状況に突入しています。

週明け発表予定のユーロ圏9月の消費者物価指数でインフレの沈静化が明示されれば、ユーロ売り・ドル買いに振れることになりそうですが、相場の先行きを転換する起爆剤となるほどの指標発表はなく、引き続き戻りがあれば売るというスタンスが基本の一週間となりそうです。

ユーロドル過去6か月の相場推移

相場全体としては、大きく価格を変動させるほどの材量が乏しい状態ですが、実需で大玉が東京仲値やロンドンフィキシングに登場すると思わぬ相場変動に巻き込まれることもありますので、月末にかけては用心が必要です。

特にドル円の大玉の場合には、マザーマーケットに持ち込まれる可能性が高まりますので、仲値のあたりに急激な相場変動が起こる可能性も意識しておきたい状況です。