とうとう7月相場に突入ということで、すでに今年も後半戦を折り返す時間になりました。
年前半の為替相場で明確だったのが円安進行で、実にこの半年で21円ほどの上昇を果たしたドル円は通常の年のすでに2倍近い値幅で推移しており、ここからさらに上昇するのか反転するのかを占う意味で、7月相場は非常に重要な期間になりそうな状況となってきています。

ただ月が変わる前の6月末相場では、米国市場のセンチメントが大きく変わりはじめており、7月相場が劇的に変化する可能性も出てきていることから、週明けの1週間はそれを見届けるためにかなり重要な時間帯になりそうです。

6月末リバランスは投資資金引上げで対応

6月最終週となった先週は、本来月末に向けて株も為替も大きなリバランス、つまり分散投資を行っているファンドや機関投資家がそれぞれの投資商品のウエイトを変更することが多く、米株は買われやすい時期に入るはずだったのですが、今年に関しては資金を市場から引き上げる動きが相当な資本市場で見られることになり、全部売りを示す市場となりました。
これは滅多にはない状況で、1日に多少の買戻しは出たものの、市場参加者のセンチメントが急激に変化していることを感じる1週間となってしまいました。

米株市場ではすっかりリセッション懸念がインフレ懸念を凌駕

6月前半はインフレの進行に合わせてFRBが利上げを継続することから債券金利が大幅に上昇し、それを嫌気して株式市場が売られるという展開が続きました。
しかし6月末の先週は米国経済がリセッションに陥ることを懸念して債券金利が大幅に下がり、10年債でも3%を割るところまで下落するとともに株式市場も大幅な下落で推移し、1日にようやく買戻しが入るといったかなりセンチメントの異なる動きを示現することになりました。

実際の経済状況は1日や2日でそこまで変化するわけではないですが、経済指標が悪化したのを受けて急激に市場参加者がリセッションの到来を心配し始めているようで、ここからさらに株価が下がり為替もドル円を中心としてリスクオフの動きが加速することが懸念されます。
まずは週明けの7月相場でその動きが明確にでるのかどうかに注目していきたいところです。

ドル円は7月中にどこまで上昇できるかが大きなポイント

ドル円1時間足

市場のこうした変化を受けて、ドル円も137円を付けてからはドル売りの洗礼を受けることとなり、135円台で週の取引を終えています。
先週の相場の動きでもう一つ注目されたのが海外投機筋の日本国債10年債に対する売り攻めが一旦休止したことで、これまで夜間の市場になると投機筋の猛烈な売りに押されて金利が上昇したのも先週末は0.22%程度に抑え込まれるようになっており、若干拍子抜けの雰囲気が漂います。
半期末で投機筋も一旦ポジションを落した可能性が高まりますが、これで諦めるとは思えず、再度戦いを挑みにくるかもしれません。

米債金利が下がりJGBの金利も金利も元のさやに収まりそうな足もとの状況をうけて、果たしてドル円はFRBの利上げ継続だけを支援材料にどこまで上昇させられるのか、あるいは株式市場の大暴落が起きて逆にリスクオフに動くことになるのかを見極める必要がでてきています。
多くのテクニカルアナリストはドル円が一旦下落する可能性を指摘しはじめていますが、137円に到達した状況は必ずしも過熱感のあるものではなく、ファンダメンタルズ的な材料を考えればまだ上昇する可能性は残されています。
ただし、上昇するとしてもかなり上下に振りながら上を目指すことが予想されるので、想像以上に難しい相場になる点にも注意が必要です。

ここからドル円が130円を割り込むようなことになれば上昇トレンドも一旦終了ということになりそうですが、先週の動きを見る限り意外に底堅く、ここからの判断はかなり難しい状況です。
7月21日には日銀の政策決定会合の結果発表もあり、少なくともここのあたりまでは上昇が続く可能性を考えておきたいところです。

ユーロドルは下値を目指すリスクに警戒が必要

ユーロドル1時間足

一方ユーロドルは、本来の7月のシーズナルサイクルから見ると、ユーロは決して弱い時間帯ではありませんが、米欧の金融当局の政策コントラストに加え経済がかなり弱くインフレも予想以上に進行していることから、まだ下値を狙いに行く可能性が高まりそうです。
一旦ドル売りから値を戻し、当面1.03レベルがターゲットになるものと思われますが、これを下抜けるとまたパリティを意識した動きになりそうで、例年の7月の動きから抜け出すのかを確認しながら売買する必要がありそうな状況です。

7月相場は例年どの通貨ペアでも明確な方向感がでない時間帯に入りますが、今年は例年とはかなり違う動きをする通貨ペアが多いことから、予断をもったトレードは極力避けて実際の相場の動きにしっかりついて行くことで利益を得ることが重要になりそうです。

いずれにしても取引は一段と難しくなっているので、安易にレベル感から買ったり売ったりすることだけは避けることが必要でしょう。